入社早々リモートワークでもでも新人PRパーソンがすべき3つのこと

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4月。春ですね。春なのに新型コロナの影響で入社早々会社に出勤できず、リモートワークを強いられている新入社員の方も多いのではないでしょうか。
今回は新入社員もしくは他部署から異動で広報部に配属された、「広報未経験」の方のために、これだけはやっておくべき広報の基本について、3つお伝えします。

 

そもそも「広報」って何?

実際の広報業務をしたことがない新人の皆さまにとって、広報/PRのイメージとはどのようなものでしょうか?
テレビや雑誌で企業の顔として紹介されている広報さんをご覧になったり、夜な夜なマスコミの皆さんとの交流をSNSに上げている広報さんを見て、「華やか」とか「楽しそう」というイメージを持っているとすれば、それは部分的なことです。実際の広報業務は表舞台に出ない地道な作業の方が断然多いのです。

そもそも広報とは、「企業と社会が互いにメリットを享受するための戦略的コミュニケーションプロセス」です。広報担当は企業の顔になることもあるかもしれませんが、基本は「黒子」です。自社の存在意義、事業のゴールに基づき、新しい商品やサービスなどを、社長や他の立役者を通じてどのように表現し、社会のニーズにお応えするようにメディアに発信してもらうと効果的なのか、を戦略的に作っていくのが広報の役割です。テレビ局でいえば、ディレクターのような存在かもしれませんね。

では、新人の貴方が広報担当として先ずすべきこととは何でしょうか?

 

新人広報がまずすべきこと<その1>

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入社したら先ずは「自分の会社のことをよく知る」ことです。会社のことを知らずしてコミュニケーションはできません。

会社の情報はその会社の公式サイトから社内向けサイト、決算資料に過去の社内報、そして過去のメディア露出などなど、会社の歴史から今に至るまでをしっかり勉強しましょう。業績や事業構成の変化、組織の動きなどを俯瞰して理解することで、自分の会社がどういう変遷を経てここまできているのかが理解できます。これは異動されてきた既存社員の方でも、所属していた事業部のことしか知らず、意外に会社のことを詳しく知らなかったという人もいるので有効です。
情報収集は自分の足でプロアクティブに行いましょう。ネットで調べてすぐ手に入る情報だけでなく、ネットワーキングを駆使して、常に社内でアンテナを張ることを習慣付けましょう。そして、自分なりに情報を分かりやすくまとめてみるなど何を聞かれても会社のことはきちんと話せるようになることを目指してください。

 

新人広報がまずすべきこと<その2>

2つめは「世の中を知る」こと。
つまり、新聞を読むことです。広報の基本ですね。会社が主要五紙(日経、朝日、産経、読売、毎日)を購入していればよいですが、可能であれば自費で1~2紙を購読されることをお勧めします。

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新聞の読み方にはコツがあります。自分たちの会社が掲載しているときだけ、その箇所だけを読むのではなく、是非全体を読み込んで欲しいのです。今の社会情勢がどうなっているのか、なぜ競合他社が掲載され、注目されているのか?それを読み込み、社会のトレンドを把握する習慣を身に付けることが大事です。なぜなら、習慣になっていることで注目されている事象と自社の”接点”を自然に考える思考回路を持つようになるからです。
そしてザッピングではなくできるだけ読み込むこと=読んで理解をすることを心掛けていただきたいです。さらに余裕ができれば、三大ビジネス誌(日経ビジネス、東洋経済、ダイアモンド)まで読む習慣がついていればより深く理解する機会になるかと思います。

なぜ新聞?Yahoo!ニュースじゃダメ?と思われるかもしれません。もちろん通勤時など、いつでもどこでも手軽に確認できるニュース配信サービスも、時事ニュースの概要をいち早く掴むという意味では非常に便利です。ただ、ネットニュースだけでは新聞や情報誌の記事が短く部分的にしか掲載されないケースや、閲覧するタイミングによっては重要なニュースを見逃すこともあります。そもそも配信サービスなので、取材をして第一報を報じる記者を抱えるメディアではありませんので、情報をより深く理解するにはやはり新聞やビジネス誌がお勧めです。

そしてそのレベル感の情報を持ち合わせていないと、優秀な記者の方々とは広報として渡り合えません。今の広報担当は新聞を読まない人が多いとも聞きますが、その状態で例えば日経の記者にアプローチするのはとてもリスキーで失礼にあたります。媒体や記者と良好な関係を築くためにも、最低限、自社のステークホルダーが多く読んでいるメディアをよくリサーチし、そのメディアの掲載動向を把握した上でアプローチすることをルーチン化しましょう。

 

新人広報がまずすべきこと<その3>

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3つめは「プレスリリースをきちんと書けるようにする」ことです。
これは先の1と2ができた上ですることになります。きちんと、がポイントです。

「プレスリリース」とは?
会社の新商品や新サービスの発表、社長就任や役員の人事異動など、様々な会社の発表事を文書化してメディア向けに配布(配信)することです。

会社のことを外部に語れるほど熟知し、メディアに詳しくなったら、いよいよ実践です。会社のことで世の中のネタになると思ったことを形にしてみましょう。
プレスリリースは日々膨大な量が各社から発信されていますが、中には何がニュースなのか、何がバリューなのか不明なものも残念ながら多いです。そうならないためにも、新人広報がまずすべきこと<その2>は特に重要です。

プレスリリースはテーマが重要
実はメディアに届くプレスリリースの約9割は残念ながら最後まで読まれず捨てられています。では貴方のプレスリリースがその1割に入るためにはどうすればよいでしょうか?
その1割のなかには有名企業、大手上場企業のプレスリリース、そして社会的インパクトが高い時事的なテーマ(今であれば新型コロナやリモートワークなど)に関連させたプレスリリースが該当します。なぜならメディアは「なぜ今これが必要なのか?」「どのくらいの規模でインパクトがあるのか」という観点で振り分けているからです。別に今でなくていいものであれば後回しにされます。貴方の会社が無名であれば、会社名ではなく「テーマ」で勝負しましょう。

記者に捨てられないためのタイトルと一段落目
“何を””この時期だから”発信するのかという内容をタイトルに盛り込みます。このタイトルが良ければ、その先の一段落目は読まれるでしょう。多くの記者やエディターはここだけでまず判断します。逆にタイトルと一段落目でメディアの興味を捉えることができれば、二段落目以降の情報が不十分であっても問合せはきます。
では、問合せがくるタイトルと一段落目を作れるようになるにはどうすれば良いでしょうか?先ずは部署の先輩やメディアに掲載されている他社の上手なプレスリリース(成功事例)から学んでみましょう。プレスリリースは企業サイトやプレスリリース専門のポータルサイトなど無料で閲覧することができます。

広報はとにかく実践が大事です。足で稼いで情報収集し、社内の情報を得られる関係を築く。そしてメディア研究を惜しまず、プレスリリースの基礎固めができたら、どんどん実践あるのみです。

 

「プレスリリースを作るポイント」まとめ

  • 露出させたいメディアの特徴を掴む

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  • 掲載されやすい切り口を研究する

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  • 自社のリリースに反映させる

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  • 社内の発表事を文書化する練習を積み重ねる

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  • なぜそれをこの時期だから発信するのかというテーマをタイトルと一段落目に盛り込む

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  • リリースは1~2枚でまとめる(長くて2枚まで)

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記者にコンタクトして自社についてどう評価・理解していただけるのかを体験すること、不足なことを足し、改善していくこと、その場数を踏むことが新人広報にとって大切です。新人であってもその人固有のアンテナの張り方があるはずです。20代なら20代ならではのネットワークやステークホルダーとのコミュニケーション方法、ベテランでは考え付かない視点があると思います。自分なら何ができるかという目線を持って広報の第一歩を進んでください。

 

広報のバイブル

広報とはどんな職業なのか。広報のイメージを掴むのにお勧めの書籍が、以前にもご紹介している「プロパガンダ」です。「広報・宣伝(PR)の父」と呼ばれ、世の中に広報というポジションを築いた人ともいわれている著者によるもので、広報の神髄を知るヒントになると思います。
さらに幣著「アマゾンで学んだ! 伝え方はストーリーが9割」も読んでいただければ幸いです(笑)

 

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