新規事業の成功に企画段階からPR視点が必要不可欠な2つの理由

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企業のPR部門に属していらっしゃる皆さん、他部署からある日突然、「新サービスをローンチするのでプレスリリースお願いしまーす。」なんて突然いわれること、ありませんか?新サービスについて何の前触れもなく、既に完成した商品やサービスを資料だけ渡されて、「はい、後はメディアアプローチよろしくね!」などと、あたかもPRが何でもメディア露出を取れるかのように託してくるケースは少なくないと思います。

今回の話は、商品開発部や経営企画部など、その分野のエキスパートが考えに考え、練りに練った新商品や新事業を、広報がケチをつけたいのでは決してありません。実はこれ、企画段階から広報のエキスパートを参加させることが結果的に企業価値に繋がります、というお話です。

 

理由その1:「広報は社会のニーズを知っている」

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実は、広報の”あるあるジレンマ”に、「このサービス、世の中にすでにいっぱいある・・・」のに、「わが社にとっては初めての試み」ということで差別化されていない商品やサービスを事業部のお願いや上司の指示で仕方なくメディアに発信しなければならないことがよくあります。会社の広報とは情報を発信するだけの部署ではありません。企業価値を落とさないために、自社の情報露出の傾向はもちろん、政府の動き、競合他社動向、各ステークホルダーのレピュテーション(評判)にも様々なメディアやソースに目を通し日々アンテナを張っています。

だからこそ、名前が違うだけで先行している他社サービスと仕組みが同じ、つまり二番煎じと知りながら、メディアに「当社の新サービスなんです。掲載してください!」はありえません。仮に、すべて承知の上でリリースを打ったところで、メディアからは広報担当者のセンスを疑われるどころか、その企業からのプレスリリースは今後まともに読まれなくなる恐れもあります。メディアにしてみれば、この企業が真剣に社会の人たちとコミュニケーションをしようという姿勢には見えなくなるということです。社会的にインパクト(時事性、新規性、独自性、意外性などのニュースバリュー)にならない情報は、結局どこにも掲載されることなく、企業価値を落としてしまうという悪循環になります。

 

理由その2:「広報は最高の伴走者である」

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例えばシーズン毎など、定期的に新商品を発表しなければならない企業はアイデアのマンネリ化に悩んでいらっしゃいませんか?普段から常に同じ商品やサービスのアイデアを考えるメンバーが同じでは、発想や着眼点が似通ってしまったり、長年の在籍効果で稟議が通りやすいコツを習得し、何ら新鮮さの感じない、及第点のものが商品化されているということもあるようです。
もちろん、組織変更や新入社員の加入など、新しい空気を入れることでイノベーションを生まれやすくさせている企業もあるでしょう。とはいえ、毎日同じメンバーで顔を突き合わせている環境では、日が経つにつれ同調行動が起きやすくなるのも事実です。

社会の様々なニーズに応えていくには多様性が必要です。様々な切り口で考えることができ、価値観の多様性を取り込むことで新ビジネスや新アイデアが生まれやすくなります。広報のスキルやノウハウ、場数を踏んでいないと難しいことかもしれませんが、広報が企業と社会を繋ぐ”ハブ”として、客観的視点で各ステークホルダーとコミュニケーションしていく上で足らないと思うこと、社会により受けいれられるであろうと思うことを会議でインプットしていくことが、事業の成功に繋がると強く思います。
そして各部署が生み出す商品やサービス、事業が社会に存在する意義を最大化させるためにも、広報担当者の知見を積極的に戦略会議で生かすべきです。広報にはただ社会に発信するだけではなくそのような役割もあると思っています。

もちろん、経営コンサルタントを招致してみるのも一手です。とはいえ、肝要なのは自分たち自身が考えること。コンサルタントのキレイなプランが実態に伴っているか、臨機応変にイレギュラーなことも含めオペレーションの改良までフォローできているかも事業の成功には必要不可欠ではないでしょうか。社内の広報担当者は一番”身近な部外者”として、客観的視点で伴走できる最適な人材です。

 

まとめ

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PRとは、企業と社会がお互いにメリットを享受できるようにする戦略的コミュニケーションプロセスです。片方(企業側)だけが得をしようとしても、公共性も加味するメディアは広告でない限り、一方の言い分だけを取り扱えません。細かく設計されたコンセプトに、スケジュールも予算も確保済みの事業計画、このための人的体制もしっかり整ってしまった後では変更することは非常に困難ではありますが、「そのリリースは今社会には求められないと思います。」と正直に言う勇気も、会社を思えばこそ、時に必要になるでしょう。

そして、商品企画や開発事業部などに携わる方々には、是非、自分たちの商品やサービスの成功率を上げるためにも、社会の目を客観的に理解できているPR視点を企画段階から入れるようにしてみてください。
あなたの内なる熱意を、広報と共有しましょう!

 

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