印象管理のススメ

 

先日、Eラーニング教材を制作したことがきっかけで、服装選びの重要性を実感しました。
もちろん、これまでも社会人として最低限のマナーやTPOに適した服装を心がけてはいましたが、動画に出演するにあたり、いざ自分に似合う服選びや、よりイメージアップに繋がるスタイリングというものにチャレンジしてみたのです。
そこで衣装選びをお願いしたイメージコンサルタントの吉村ひかる先生のお話や、自身の経験も含め、ビジネスパーソンの「印象管理」についてご紹介します。

 
 

第一印象が大事な理由

書籍『女は服装が9割』などでメディアでも紹介されている吉村先生は、国際イメージコンサルタントとして活躍される一方で、次世代のイメージコンサルタントの育成にも熱心に活動されている方です。

 

先生によると、人間の五感における情報入手の割合は、視覚が83%、聴覚が11%、嗅覚3.5%、触覚1.5%、味覚1% とのこと。視覚から得る情報や印象がいかに大事かがわかりますね。

人間の五感における情報入手の割合


さらに先生によると、最初(初対面のとき)の視覚効果は長く持続するのだそうです。
これを「初頭効果」と呼び、初対面で人に与える印象がネガティブになってしまえば、この初頭効果がネガティブに効いてしまうので第一印象は非常に重要です。
「ファッションに興味はない」「ファッションにお金をかける余裕はない」という方でも、第一印象の持続効果が長いことを考えれば、そこにリソースを集中投下することで、ビジネスパーソンとして効果的なコミュニケーションが図れるのではないでしょうか。

 

※先の「初頭効果」ですが、万が一初対面が悪かったとしても安心してください。吉村先生の著作には初対面でネガティブな印象を与えてしまった場合でも、それを覆す秘訣が書かれています。

 

ビジネスパーソンに必要な服装選びの極意

動画教材という様々な人がノウハウを学ぶための映像に自分も出演するとなると、どのような衣装にすべきか。その悩みを吉村先生は事前アンケートをもとに、「パーソナルショッピング」というかたちで解決してくださいました。
先生と私、そしてもうひとり、私と一緒に動画教材に出演するパートナーとが向かった先は新宿の伊勢丹。フロアというフロアをまたぎながら、先生曰く「その人のDNAにあったカラー」で手際よくセレクトし、集まった服の数々は、試着すると表情がパッと明るくなり、肌や髪色とのフィット感が絶妙だったのです。
もちろん、普段あまり経験することのない、「人に選んでもらった服」という新鮮な経験が、その感動や喜びに加担するものも多少ありますが、自分が今まで足を踏み入れたことがない店の服にも、自分に似合う服が発見できたことは収穫でした。

また今回、私は「家で洗える服」をリクエストしたのですが、先生はそんな私の無謀な要望にも難なく解決していただきました。
白のスーツだったのですが、ガシガシ洗っても型崩れせず、アイロンの必要がない服は、実用的で非常にありがたいです。

先生が選んでくれた服の数々は、元々私自身も好きな色で自分のワードローブにも多いカラーではあったのですが、一緒に出演するパートナーの、私とは全く異なるタイプ(DNA)の衣装の色も、私が好きな色でよく選んでいた色でした。
しかし、先生によると私は「夏タイプ」でパートナーは「秋タイプ」。私が試しに秋タイプの服を着てみると、夏タイプに比べ冴えなかったのです。
「自分が好きな服と似合う服は違う」とよく聞きますが、第三者から見た的確なアドバイスは目から鱗でした。
まさに、先生の仰る「DNAにあったカラー」選びの重要性を”肌”で感じたのです。

 

だからといって夏タイプの人が好きな色を選べないわけではありません。
同じ赤でも春、夏、秋、冬別のトーンが異なる色があるため、夏タイプの人は夏のトーンの赤を選ぶことで好きな色を着こなすことが可能になります。

色選びは、ビジネスパーソンにとっても重要で、「シーン」別に使い分けることで自身の発したいメッセージやイメージを効果的に演出できるそうです。
先生の書籍では、例えば「イベントの初日向け」の色、「重要な会議や話し合いの場」、「プレゼンの時」といった具合に、各ビジネスシーンにおいて、シーンに合わせた色の選び方が指南されています。

 

会社やブランドとしての印象管理

印象管理は個人だけでなく、会社やブランドとして活用することもできます。むしろビジネスパーソンはもちろん、企業の広報担当者にとっては必要不可欠な要素の一つではないでしょうか。

 

今回の例でいえば、私はAStoryとは別に代表をしている会社のEラーニング教材に単独ではなくaLLHANz合同会社の共同代表のパートナーと共に出演します。
つまり、相手との服のバランスが重要になるのです。先生曰く、「画面に映る2人の服装がアンバランスだと、受け手(視聴者)は違和感を覚え、ストレートに情報が入ってこなくなるリスクがある」とのことでした。

 

皆さんのビジネスシーンでも、商談で上司または部下と同行することや、取材対応で取材対象である企業の代表や役員のアテンドをするなど、様々なかたちで個人ではなくブランドや会社として対外的にイメージを発信する機会がありますよね。
自分自身の印象管理ではなく、他人にそれを行っていくことは、他人の意識を変えていくことですから非常にハードルは高いのですが、例えば広報であれば、メディアによってドレスコードを提案するのも有効だと思います。
また、インパクトの大きいシチュエーション(謝罪会見やTV出演、式典など)においては、メディアトレーニングの一貫としてプロを入れるのも一つの手です。

 

ロールモデルをつくろう

私自身は仕事を依頼してくれる方々に「安心」や「信頼」していただけるような服装選びに配慮しています。
そしてロールモデルとして経団連の女性初の役員であった故・吉田晴乃さんをお手本にしています。吉田さんは2017年にフォーチュン誌「World's Greatest Leaders 50」で日本人として唯一選出されるなど、非の打ち所がないキャリアがあるだけでなく、TPOをわきまえたファッションセンスが抜群の人でした。そしてファッションだけでなく、常に姿勢が良く堂々としている方でした。
これだけのオーラを放っていると近寄りがたいものですが、吉田さんはユーモアセンスも素晴らしく、とてもユニークな方で、こういう女性を目指して頑張ろうと思える方だったのです。

 

皆さんにも身近にロールモデルを探して欲しいと思います。
少し前をいっている先輩や上司の方、もちろんビジネス業界以外でも良いので、憧れの方を見つけて目指すゴールに近づいて欲しいなと思います。

今回ご紹介した吉村ひかる先生の印象管理について詳しく知りたい方は是非『女は服装が9割』をご一読ください(男性にもおすすめです)。

 

AStoryではPRパーソンや企業向けにセミナーを随時開催しているほか、経営者の方などを対象としたメディアトレーニングのサポートも実施しております。ご興味のある方はお気軽にコチラへお問い合わせください。